本番前に、いつもの「チェック、ワン、ツー」。
ハウリングしやすい帯域が、その場で出ます。
ハウリングの直し方は、あちこちに書かれています。マイクとスピーカーを向かい合わせない。音量を下げる。イコライザーでその帯域を下げる。
ただ、「その帯域」がどこなのかを、自分で見つける手順は、あまり書かれていません。自動で見つける機械は売られていますが、現場にいつもあるとはかぎりません。
このページでは、iPhoneアプリ「チェックワンツー」で、ハウリングしやすい帯域を自分で見つける手順を、実際の画面で順に説明します。
基本の使い方
本番前に、ステージモニターの音を調べる手順です。無音を15秒とってから、声を録音します。
マイクを持って、ステージモニターの前に立つ
ホームの「モニターチェック」を選びます。いつも立つ位置で、いつも使うマイクを持ってください。マイクを通した音を、そのまま調べます。
iPhoneのマイクは本体の下にあります。手でふさがないでください。

無音を15秒とる
「チェック開始」を押すと、確かめの画面になります。そこで「録音開始」を押すと、無音の15秒が始まります。15秒で自動的に止まります。この15秒は声を出さずに、そのまま待ってください。
ここで調べているのは、部屋そのものの音です。エアコン、照明、電源から回り込む低い唸り、機材の高い音。声を出す前の状態を、先に押さえておきます。



「チェック、ワン、ツー」と数回言う
いつもマイクチェックで言っている、あの言葉のままです。
この3語だけで、低い方から高い方まで一度に出せます。だから世界中のPAエンジニアが、この言葉を使います。「ヘイ」「ハー」「アー」も足すと、さらに広い帯域を拾えます。
無音の15秒が終わると、この画面に変わります。「録音開始」を押してから言ってください。
この画面は自動では止まりません。言い終わったら「結果を見る」を押してください。


「結果を見る」を押して、6秒待つ
押したあと、6秒だけ声を出さずに待ってください。画面にも「あと◯秒」と出ます。
低い帯域のハウリングは、この6秒で見つかります。低い音は、声を止めたあとも残り続けるからです。ここで話しかけられて声を出してしまうと、その声を拾ってしまいます。


結果の読み方
出てくるのは、次の3種類です。
ハウリングしやすい帯域。「約◯Hz」という形で出ます。イコライザーでその帯域を下げるときの目安になります。
ノイズの種類。低く唸る「ブーン」か、高く残る「サー」というヒスノイズか。原因の探し方が変わるので、分けて出します。
登録した自分の声と比べて、強く出ている帯域。こもり、低音の膨らみ、耳に刺さる音、サ行。これは、素の声を先に登録しておくと出ます。
結果はiPhoneの中に20件まで残ります。会場名やメモを書いておくと、次に同じ会場へ行ったときに前回と比べられます。録音した音も結果も、すべてお使いのiPhoneの中だけに保存されます。
ここまでが、モニターチェックの手順です。ダウンロードは無料で、この手順はずっと無料でお使いいただけます。
こんなときは
演奏中に、ハウリングしそうなとき
ホームの「アナライザー」を選びます。いま出ている音の帯域が、そのまま線で出ます。
緑の線がいまの音。白い線がピークホールド。オレンジの破線が、いま強い帯域。赤い実線が、ハウリングしやすい帯域です。この4つは画面にも書いてあります。
画面をなぞると、その場所の周波数を読めます。左に倒すと目盛りが広がって、読みやすくなります。
楽器のボタン(全体・ドラム・ベース・ギター・ボーカル・ピアノ)を選ぶと、その楽器に合わせた説明が出ます。線の動きが速すぎるときは「スロー」を押すと、下がり方がゆっくりになります。

どの帯域が出続けているか、時間で見たいとき
アナライザーの中から「スペクトログラム」を選びます。アナライザーが「いまこの瞬間」を見るのに対して、こちらは音がどう変わってきたかを見ます。
同じ周波数の音が、横に長い線で残っていたら、そこが出続けている帯域です。ハウリングは、まずこの形で現れます。
左に倒すと、時間の幅が広がります。

「こもり」や「耳に刺さる音」も見たいとき
先に、自分の素の声を登録しておきます。ホームの「自分の声を登録」から「録音開始」を押し、画面に出る言葉を5つ読みます。「チェック、ワン、ツー」「ヘイ、ヘイ」「ハー、ハー」「チッチッ、シー」「アー」。言葉ごとに「次へ」を押します。最後は「終わる」、そのあと「自分の声として登録」を押します。全部で20秒ほどです。
静かな部屋で、マイクを通さずに、本番と同じ声の大きさで読んでください。これが基準になります。
登録しておくと、モニターチェックの結果に「こもり」「低音の膨らみ」「耳に刺さる音」「サ行」が出るようになります。ステージモニターのどこが余計に出ているかが、素の声との差で分かります。

現場で「今のは2kHz帯」と、すぐ言えるようになりたいとき
ホームの「周波数当てクイズ」です。2種類あります。
単音当て。聞こえた音がどの周波数かを、ボタンから当てます。初級は6種類、上級は21種類です。上級の中心(250Hz〜8kHz)は、現場のグラフィックEQと同じ1/3オクターブ刻みです。
A/B比較。元の音と、イコライザーをかけた音を聞き比べて、変わった帯域を当てます。
画面を見なくても帯域が分かるようになると、現場での手が速くなります。
アナライザー・スペクトログラム・モニターチェック・声の登録は、ずっと無料です。クイズは1日20問まで無料で、最初の20問はお試しできます。
フル版にすると、クイズが無制限になり、上級(21種類)と、A/B比較の4つのジャンル(ポップス・ロック・ダンス・バラード)が使えるようになります。月額の課金はありません。会員登録もありません。


うまくいくコツ
ハウリングの周波数が会場ごとに違う理由と、フェーダーを上げてわざとハウリングを起こす、これまでのやり方との違いは ハウリングの周波数を、スマホで特定する に、出た周波数をイコライザーでどう下げるかは ハウリング対策の、イコライザーの使い方 に、そのほかのご質問は ハウリングのよくあるご質問 にまとめています。