ハウリングの周波数を、スマホで特定する。
ハウリングが出たとき、イコライザーのどのフェーダーを下げればいいのか。 それを決めるには、いま何ヘルツでハウリングしているかが分からないと始まりません。
ただ、その周波数は会場ごとに違います。同じ会場でも、人が入れば変わります。
このページでは、ハウリングを起こさずに周波数を出す手順を順に説明します。 iPhoneのマイクで測ります。
ハウリングの周波数は、決まっていない
ハウリングの周波数は、会場ごとに変わります。ヤマハの解説には、こうあります。
これにより、施設の音響特性に応じて特定の周波数帯域が強調されてしまい、 それが「キーン」とか「ボー」という不快な音になって出てしまうのです。
出典:ヤマハ
どのあたりで起きやすいかは、シュアーが聞こえ方から書いています。
ハウリング音がうなり声のように聞こえる場合、250~500 Hzをカットしてみます。 さえずりのように聞こえる場合は1 kHz付近、笛や金切り声のように聞こえる場合は2 kHzより上と考えられます。 80 Hz以下または8 kHz以上でハウリングが起こることはまずありません。
出典:シュアー
それでも、その日その会場のどこで起きるかまでは決まりません。 ヤマハサウンドシステムの解説には、こうあります。
会場特有の建築形状や壁の材質などにより、特定の周波数帯域が響きやすい環境にある
出典:ヤマハサウンドシステム
会場の形と壁で、響きやすい周波数が決まります。だから、その日その場所で測るしかありません。
ハウリングは、起こさないのが基本です
ハウリングはスピーカーを傷めます。だから現場では、起こさないように工夫します。 マイクの本数を減らし、位置と向きを直し、音量を上げすぎない。 それでも起きてしまった時に、その周波数を下げます。
ヤマハには、対策の順番も書かれています。
ハウリングを抑える最も簡単な方法は、個々の楽器の音量を下げたり、 マイクとモニタースピーカーの距離や向きを変えるなどして、 スピーカーの音をマイクが拾わないようにすることです。
出典:ヤマハ
それでも残るときに、イコライザーで周波数を下げます。 そのためには、いま何ヘルツで起きるのかが分かっている必要があります。
同じ回答には、下げすぎたときのことも書かれています。 「あんまりやりすぎると音が痩せてくるのです。(スカスカになってくる)」。 だから、どこを下げるかを絞り込めた方がいい、ということでもあります。
ハウリングを起こさずに周波数を出す手順
iPhoneアプリ「チェックワンツー」で測ります。ダウンロードは無料で、この手順は無料で使えます。
- マイクを持って、ステージモニターの前に立つ。 いつも立つ位置で、いつも使うマイクを持ちます。マイクを通した音をそのまま測ります。
- 無音を15秒とる。 声を出さずに待ちます。ここで測っているのは部屋そのものの音です。 エアコン、照明、電源から回り込む低い唸り、機材の高い音。
- 「チェック、ワン、ツー」と数回言う。 いつものマイクチェックの言葉のままです。この3語で、低い方から高い方まで一度に出せます。
- 「結果を見る」を押して、6秒待つ。 低い周波数のハウリングは、この6秒で見つかります。 低い音は、声を止めたあとも残り続けるからです。
結果は「約250Hz」のような形で出ます。イコライザーでその帯域を下げるときの目安になります。
画面つきの手順は ハウリングを起こしやすい帯域を、自分で見つける手順 にあります。
出た周波数を、イコライザーのどのフェーダーにするか
31バンドのグラフィックイコライザーは、1本ごとに中心の周波数が決まっています。 出た数字にいちばん近いフェーダーを1本だけ下げます。
下げる本数を増やすほど、声は細くなります。 上の回答にある「音が痩せてくる」というのは、このことです。まず1本、それで足りなければ2本目。
下げても止まらないときは、イコライザーではなくマイクの位置の方を先に見てください。 ヤマハサウンドシステムの解説も、対策としてマイクの本数、マイクとスピーカーの位置、 マイクの向きを先に挙げています。
返しと客席のどちらを下げるかを含めて、 ハウリング対策の、イコライザーの使い方 にまとめました。
測れないとき
- 周りがうるさい。 開場中の客席のように人の声が多い場所では、その音を拾ってしまいます。 できれば人が入る前に測ってください。
- スピーカーに近すぎる。 スピーカーの正面すぐでは、その1台の音しか測れません。 いつも立つ位置で測ってください。
- 150Hzより下が出ない。 150Hzより下は、iPhoneの内蔵マイクでは正確に測れないため、ハウリングの判定をしていません。 アナライザーとスペクトログラムの画面には表示されます。
測るときに、ひとつだけ気をつけること
「チェック、ワン、ツー」は、本番と同じ声の大きさで言ってください。 小さい声で測ると、本番で出る帯域が出ません。
ステージモニターの音量が大きすぎて測れないときは、アプリが 「ステージモニターの音量を少し下げて、もう一度録音してください。」と出します。 そのときは下げてから測り直してください。
マイクを持って立ち、無音のまま15秒、そのあと「チェック、ワン、ツー」。 約30秒で、その場所でハウリングを起こしやすい周波数が数字で出ます。 ダウンロードは無料です。会員登録もありません。
App Store からダウンロード次に読む
- ハウリング対策の、イコライザーの使い方 ── 出た周波数を、どのフェーダーで、どれだけ下げるか。
- ハウリングを起こしやすい帯域を、自分で見つける手順 ── 画面を1枚ずつ載せた、くわしい手順です。
- ハウリングのよくあるご質問 ── なぜ起きるのか、起きたときまず何をするか。
- 文化祭のライブで、ハウリングを出さない ── 体育館のステージで、本番前の30秒にやることです。
- 体育館でハウリングする原因と、その場での直し方 ── 響きが長い場所で、どの帯域から下げるか。
- 公民館やカラオケでハウリングする原因と、その場での直し方 ── 天井が低い部屋と、床が硬い部屋の違いです。
- チェックワンツー(機能と料金) ── アプリの中身と料金。